カナダへの研修旅行の様子をおとどけします
平成13年度教職員派遣研修・短期派遣・三重県団・第242団
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10月22日(月) 研修5日目  教育委員会と職業専門学校訪問(ハル市) :快晴 10月24日加筆訂正

  • 午前の部

    教育委員会訪問
    COMMISSION SCOLAIRE DES PORTAGES-DE-L'OUTAOUAIS

  • 午後の部

    オタウエ工職業専門学校訪問
    CENTRE DE FORMATION PROFESSIONNELLE DE L'OUTAOUAIS


ハル市の学校を管轄する教育委員会  COMMISSION SCOLAIRE DES PORTAGES-DE-L'OUTAOUAIS にて


正面の左側が教育委員会会長のジョセリン ブロンダン氏 M.JOCELYN BLONDIN
正面右が教育長のルシー ラフラール氏 Me.LUCIE LAFLEUR


このオタウエ地方は4つの教育行政区に分かれていて(左図:緑赤青黄の4つ)、 訪問したポルタージュ教育委員会は、その4つのうちの一つ(赤)です。 ハル市を含む4市を統括していて、ケベック州にある 70の教育委員会のうちの一つということになります。
ハル市6.5万人を含む12万人がこのポルタージュ地区には住んでおり、 そこにある幼、小、中と職業学校(16歳以上の生徒を1〜2年教育する)を管轄していて、 その生徒数は1.5万人です。内訳は小学校数は22校、中等学校は4校、職業学校は2校、同じく16歳 以上の一般教育学校4校です。
この規模の教育委員会は、ケベック州では平均的なものです。


日本語の歓迎のことばに続き、我々の日程表を日本語で用意していただいたり、 また各自の名札も用意してありました。 しかし、それだけでなく、情報交換や協議の場面で、とても親切で暖かい応対、 終始真剣でサンパティクな対応には、一同感激しました。 今日の午後から始まる一週間に及ぶ間各学校の訪問は、 全てこの教育委員会にコーディネイトしていただきました。




情報教育(リテラシーと、情報機器を活用した各教科の教育の2分野を含む) を統括しているセクション
4歳から情報教育を行っており、幼稚園からコンピュータは配置されている

スクールバスなどのサービスを管轄しているセクションに貼ってあった スクールバスのポスター。「バナナ」と愛称されている。

教育制度について補足をします。10月24日訂正
カナダは各州ごとに文部省があり、 教育予算の大部分は州の予算でまかなわれる。ケベック州にあるこのPORTAGES教育委員会管轄の学校制度は、 5種類の学校からなっている。"JEUNE:若者"と呼ばれている3種類の学校は以下のようである。 4歳ないし5歳からの幼稚園(PRESCOLAIRE:1〜2年間)、6歳〜12歳の小学校(ECOLE PRIMAIRE:6年間)、 12歳から18歳までの中等学校(ECOLE SECONDAIR:5年間)である。 そして、16歳以上なら入学できる"ADULTE:大人"と呼ばれている学校には次の2種類ある。 一般教育学校(FORMATION GENERALE)と、職業学校(FORMATION PROFESSIONNELLE)である。 この職業学校は、"CENTRE"と呼ばれ午後に訪問する "CENTRE DE FORMATION PROFESSIONNELLE DE L'OUTAOUAIS"はその一つである。
義務教育は16歳までなので、中等学校の途中までということになり、30%が中等学校を修了せずに16歳で 中途退学している。16歳で入学できる上記"ADULTE"学校が中途退学者の受け皿になっている。 "ADULTE"学校の中の職業学校へ進む者は、卒業後高い技能を持って就職してゆく。 一方、一般教育学校は、中途退学した者が再度勉強をして中等学校卒業資格を得るためと、 以下の場合に入学する。 中等学校は卒業しているが、進みたい大学へ入学するために必要な科目の単位を取っていない (日本に例えれば、高校は文系だったが、大学は理系へ進みたくなったといった感じのようです。ただし、 必要科目をとっていないと進学できない)場合。 この二つの大人学校の移動は自由のようである。 なお、中等学校での中途退学率30%を低くするために、教育改革を推進中とのこと。
小学校の就業前の1時間半、お昼の1時間、放課後の2時間、学校の教室で子供を預かる制度があり (昼食の世話もしてくれる)、もちろんこの時間は全て、教師の勤務時間ではないため、 専門のスタッフを雇っている。この制度は誰でも利用できる(ただし有料)ようにになっている。 ここで小学校の先生を中心に深いため息!
特徴的な制度に、PTAのような LE CONSEIL D'ETABLISSEMENT という組織がある。 教育委員会の組織として位置づけられており、日本と違って教育行政に深く関わっているようである。
実は訪問したオタウエ地区には、もう一つの教育委員会がある。それは英語を第一言語とする教育委員会で オタウエ地区全体に一つおかれ、この地区を管轄している。ポルタージュ教育委員会を含む この地区の4つの教育委員会と地域的には並列ということである。この辺りの事情について、 今後の学校訪問、最終日の教育関係者との意見交換会等で詳しく聞いてゆきたい。


研修に訪れていた教員達。


教育長 ルシー ラフラール氏 Me.LUCIE LAFLEUR 、彼女のオフィスにて




突然の会食場面は、午後の訪問校「オタウエ工職業専門学校 CENTRE DE FORMATION PROFESSIONNELLE DE L'OUTAOUAIS」 の一室です。
教育委員会の計らいで、校長先生とともに、すてきな昼食をいただきました。
 

上の写真の左側の方は、保護者会(上記の通り日本とは異なる組織)に参加している企業の方。 真ん中が校長先生

各学校から生徒の作品を持ち寄りプレゼントしました。
この学校には16歳以上の生徒400人がいます。 18ヶ月で終了するプログラムが基本の、職業技能訓練を行います。 建築、自動車、配管、鉄工のコースがあり、卒業資格を得ると、企業は積極的に 採用してくれ、将来の高い収入を約束されます。企業の要求を素早く取り入れ、 実践的な技術教育をしていました。


生徒です


夜はもちろんプライベートタイム。


今日もまた、食後酒まで楽しんでしまった人たち。
BISTRO RENOIR ハル市 にて


勢力先生の研修報告のページ
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